トップ国際朝鮮半島G7招待参加の韓国 「西側先進国の一員」に自負 G8入りに前のめり

G7招待参加の韓国 「西側先進国の一員」に自負 G8入りに前のめり

“革新政治”が懸念材料 加盟国拡大に壁

G7サミットに招待国として参加した韓国の尹錫悦大統領(後列右から4人目)=21日、広島平和記念公園(代表撮影)

広島で開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)に招待国として参加した韓国は、国際社会で自国の地位が向上したと強調し、G8入りにも意欲を示した。ただ、近年の韓国は西側先進国が共有する価値観を必ずしも確立しているとは言えず、特に中国、ロシア、北朝鮮に融和的な革新派への政権交代が既存加盟国にとっては懸念材料として映る可能性がありそうだ。(ソウル・上田勇実)

尹錫悦大統領はG7閉幕後、帰国して開いた国務会議で、会議参加の成果について「韓国を見る国際社会の視線がすっかり変わったことを実感した。正義を貫く、責任感あるリーダーシップは国際社会で尊敬されている」と語った。

確かに尹氏は就任後、中朝に融和的で低姿勢だったため日米両国との関係がぎくしゃくした文在寅前政権の路線と決別し、北朝鮮の核問題や中国の覇権主義に異議を唱え始めた。そして元徴用工問題など歴史認識問題を巡り悪化した日本との関係を修復させる措置に踏み切り、日米韓3カ国の連携を復元させつつある。

尹氏の言葉は自画自賛気味だが、文政権の「異常さ」を目の当たりにしてきた国際社会が尹氏の方針転換を歓迎していることは間違いない。

またG8入りに前のめりの発言も相次いだ。朴振外相は先週、国会の外交統一委員会に出席し、与党議員から尹氏の任期中に韓国のG8入りは可能か問われると、「G7拡大は話し合われなかったが、韓国の国力からして事実上の世界8強レベルに達している。その地位を国際社会は受け入れるだろう」と述べた。

与党「国民の力」も「韓国は心理的G8国家のレベルになった」(報道官)と評し、最大手紙・朝鮮日報は社説で、韓国の国内総生産(GDP)が世界12位であることなどを踏まえ、こうした経済力に基づいて「国際社会で先導的な役割を果たすなら、G8国家になるのは単なる夢ばかりとも言えない」と論じた。

大統領を筆頭にまさに「西側先進国の一員」を自負する認識と言える。

だが、真に「西側先進国の一員」になるには大きな問題がある。国論二分の原因をつくり、特に自由民主主義と対極に位置する中国、ロシア、北朝鮮など権威主義的国家に融和的な韓国革新派の存在だ。

今回のG7では、共同声明に台湾侵攻を念頭に中国を牽制(けんせい)する厳しい文言が並び、ウクライナのゼレンスキー大統領が急遽(きゅうきょ)参加したことで、戦争を起こしたロシアの蛮行を糾弾する性格が強まった。仮に韓国が革新政権に交代した場合、こうした西側先進国の「常識」に足並みを揃(そろ)えることができるのか疑問だ。

しかも有力な次期大統領候補と目される革新系の最大野党「共に民主党」の李在明代表は、昨年2月に同党の大統領候補としてテレビ討論会に臨んだ際、直前に起きたロシアによるウクライナ侵攻と関連し、ゼレンスキー氏を「6カ月の初歩政治家」「無理にNATO(北大西洋条約機構)加盟を公言しロシアを刺激した」などと批判した人物。尹氏でなく李氏が当選していたら、ゼレンスキー氏との面会はもちろん、そもそも韓国がG7サミットに招待されること自体が難しかったのではないか。

G7拡大の議論は2008年のリーマンショックを契機にその必要性が指摘され始めたが、「既存加盟国はメンバーが増えることで自分たちの特権的地位が下がることを好まない」(元韓国政府高官)傾向が強く、それが壁となって進展していない。

尹徳敏・駐日韓国大使は先週、都内で講演し「是非G8に参加したい。最大のハードルである日本が応援してくれれば容易ではないか」と述べた。

だが、政権が保革交代するたびに外交路線が180度変わり、保守政権下でも「反日」が意図的に政権浮揚に利用されてきたのが韓国の実情だ。「最大のハードル」は日本の態度ではなく、韓国国内の政治的不安定さにあると自覚すべきだろう。

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