【韓国紙】広島G7で発出された「核のない世界」

ワーキングディナーに臨む岸田文雄首相(中央奥)ら先進7カ国(G7)首脳ら=19日午後、広島県甘日市市の旅館「岩惚」
ワーキングディナーに臨む岸田文雄首相(中央奥)ら先進7カ国(G7)首脳ら=19日午後、広島県甘日市市の旅館「岩惚」

政治的修辞でなく責任感示せ

広島のように克明に対比される過去と現在を抱いた都市があるだろうか。広島平和記念公園を訪ねると、このような考えが深まる。1955年平和記念公園内に設立された広島平和記念資料館は原爆投下直後の広島の状況を伝える写真、被爆者の遺品など2万2000点余りを所蔵している。

資料館近くの韓国人原爆犠牲者慰霊碑は広島の悲劇がわれわれにも辛い歴史の一部であることを伝える。こうしたメッセージを伝える平和記念公園がよく整備された樹木、周辺の河川などと調和して美しい風景をつくり出しているのは異質感を与えるものの、とんでもない苦痛を克服してきた広島の意志だと言っても良いだろう。

19~21日に行われた先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は気候変動、食糧問題、伝染病など多くの全地球的課題を扱ったが、核軍縮、非拡散の議題が際立っていた。開催地が広島であること自体がそうだ。

参加国首脳たちの最初の公式日程が資料館訪問だった。広島に選挙区を持つ岸田文雄首相は「核兵器のない世界」が一生の政治的課題であることを自負する政治家だ。ロシアがウクライナ戦争で核兵器を使う可能性に言及する最近の国際情勢は広島の悲劇が再演され得るという恐れを醸し出している。核兵器の開発や脅しに明け暮れる北朝鮮によって、韓国にとってこうした恐怖は他人事とは言えない。

G7は核兵器のない世界の志向を公言した。しかしこういう約束は虚(むな)しく聞こえたりもする。参加国の米国、英国、フランスが核保有国だ。核兵器がない世界の重要性を示すといって開催地を広島に定めた日本は米国の核の傘を安保の重要なテコとしている。

日本が広島の悲劇を記憶する方式にも問題がある。原爆投下以後の惨状は明確だが、そのような結果を招いた20世紀初めの日本軍国主義に対する反省と省察は見当たらない。

それにもかかわらず、広島の悲劇をありのままに振り返り、その記憶を国際社会が繰り返し共有することは意味が大きい。たった一度の使用だけでも、耐えなければならない結果がどれくらい恐ろしいかを、核兵器のない世界が人類の安寧と繁栄の重要な条件であることを広島のようによく見せてくれるところはないからだ。

資料館を見てG7首脳たちがどんな話を交わし、どんな反応を示したのかは分からない。彼らの感想も違わないだろうが、重要なのは莫大(ばくだい)な責任、義務を持っているという点だ。広島で発出したG7首脳たちの核兵器のない世界の約束が繰り返される政治的な修辞ではないことを期待する。

(カン・グヨル東京特派員、5月23日付)

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