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【韓国紙】金総書記 太陽節に錦繍山宮殿参拝せず

13日、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の試射を視察する金正恩朝鮮労働党総書記(左)(朝鮮通信・時事)
13日、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の試射を視察する金正恩朝鮮労働党総書記(左)(朝鮮通信・時事)

先代の“後光”脱却を判断か

15日は北朝鮮最大の名節とされる“太陽節”だ。これは金正恩朝鮮労働党総書記の祖父金日成(1912~94年)の誕生日4月15日を賛えようと制定した日だ。

ところが金総書記が太陽節を迎えて祖父と父金正日(1942~2011年)の遺体が安置された錦繍山太陽宮殿を参拝したニュースが流れず、その背景を巡って関心が集まっている。

翌日の16日、朝鮮中央通信は党中央委員会、最高人民会議常任委員会、内閣、軍幹部などが錦繍山太陽宮殿を訪ねたと報じた。具体的には崔龍海最高人民会議常任委員長と李炳鉄党中央軍事委副委員長などの名前が挙げられた。一般住民は平壌万寿台の丘の金日成・金正日銅像を訪ねて献花した。

ただし朝鮮中央通信や労働新聞など北朝鮮メディアのどこにも金総書記の錦繍山太陽宮殿参拝の報道は出てこなかった。金総書記が2011年に権力の座に就いた後、太陽節に姿を現さなかったのは新型コロナ大流行が深刻だった20年以後初めてだ。

金総書記は太陽節はもちろん光明星節(2月16日・金正日誕生日)にもいつも高位幹部を帯同して錦繍山宮殿を参拝していた。北メディアはこれを当日か翌日午前6時には報道したが、今回は関連報道が見られない。

これを巡って北朝鮮の権力が金総書記に完全に移ったことを示す証拠という分析が出ている。最高権力者になった初期は権力基盤が脆弱で金日成、金正日など先代指導者の“後光”に依存しなければならなかったが、いまや党・政・軍を完全に掌握したので、あえて先代を強調する必要性がなくなったという説だ。

さらに今年の太陽節は「整週年」でもない。5、10年単位で区切られる年を意味する整週年は北朝鮮で非常に重視されるという。今年の太陽節は金日成誕生111周年に当たる。110周年でも115周年でもないだけに金総書記としては「あえて先代の偶像化行事に顔を出す必要はない」と判断した可能性がある。

一部からは「北朝鮮が最近偶像化の焦点を金日成、金正日などの先代より“生きている権力”である金総書記本人に徐々に移行する宣伝扇動戦略を使っている」とし、「こうした傾向は今後も続くだろう」という観測が出ている。

金総書記が13日、固体燃料推進の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18型」を参観したことも、彼の決心に影響を及ぼしたと分析される。現場には金総書記と夫人李雪主、娘キム・ジュエ、妹金与正労働党副部長も同行した。いわゆる“白頭の血統”を誇示して2日後にまた、金総書記が大衆の前に姿を現すのは負担だったのだろうという分析が出ているのだ。

(キム・テフン記者、4月17日付)

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