
システムを新しく再建せよ
来年の韓国経済の展望は暗い。高物価・高金利・高為替レート(ウォン安)の3高寒波に伴う景気減速圧力は日増しに大きくなっている。大多数の国内外主要機関の来年の韓国経済成長率の見通しは1%台にとどまる。韓国銀行が1・7%、国策研究院の韓国開発研究院(KDI)が1・8%だ。
韓銀は最近国会に提出した「通貨信用政策報告書」で「国内経済はグローバルな景気減速など対外要因の影響を受けて成長の流れが減速する見通し」とし、「輸出は主要国の景気不振、情報技術(IT)景気の萎縮などで増加傾向が大きく縮小するだろう」と展望した。
韓国経済の核心動力である輸出は今年10月に前年同期比5・7%減と2年ぶりに減少に転じた後、11月は14%減、12月1~10日は20・8%と急減し、3カ月連続でマイナス成長を記録するものと見られる。
今年に入って今月10日までの貿易収支の累積赤字は474億6400万㌦で年間基準で史上最大となった。産業研究院(KIET)は「2023年経済・産業展望」で来年の輸出は今年より3・1%減少し、266億㌦規模の貿易赤字が続くと予想した。
雇用市場も急速に萎縮している。韓銀とKDIは今年比で来年の就業者数の増加幅が各々9万人と8万人に終わると見通した。
多くの専門家は来年上半期に景気停滞局面に入るだろうと分析した。高物価現象は変わらない。韓銀は今後、消費者物価がゆるやかな鈍化を示しながら当分の間5%水準を持続すると展望する。ややもするとスタグフレーション(景気停滞の中の物価上昇)に陥るかもしれない。韓国経済が構造的な低成長基調に入ることもあり得るという心配も出ている。こうした総体的な難局であるのに国会では与野党が来年度予算案さえ適時に処理することができずにいる。政府が今月中に発表する23年度経済政策方向にどんな内容を盛り込むかが焦眉の関心事だ。
政府は来年の経済政策の一つとしてリスク管理を挙げるという。景気が下降局面に切り替わる過程で資産市場の急落、短期資金市場の不安、脆弱(ぜいじゃく)階層の生計難などに備える体制を整えなければならないという意味だ。
政府は経済危機の状況をよく管理して国民の被害を減らすことにあらゆる努力を傾けなければならない。財政・通貨政策から実物経済関連政策に至るまで、細部にわたる危機対応ロードマップを作らなければならない。
政府の役割に対する自省が先決課題だ。政府が現在のように短期的な処方に汲々(きゅうきゅう)としては困る。経済危機後の準備も疎(おろそ)かにしてはならない。経済が作動するシステムを新しく再建し、過度な規制で効率が劣る分野をこの機会に正すべきだ。年金・教育・労働改革などの長期課題に対する具体的な実行策を国民に示して説得する努力も並行しなければならない。
(朴完奎論説委員、12月13日付)