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【韓国紙】中露両国に萎縮する韓国人権外交

ロイター通信のインタビューを受ける韓国の尹錫悦大統領(大統領府が29日提供・時事)
ロイター通信のインタビューを受ける韓国の尹錫悦大統領(大統領府が29日提供・時事)

グローバル中枢国の夢遠く

国際人権保護・増進活動に対する貢献度は人権先進国か後進国かを見分ける基準になる。韓国の位置はどの辺りだろうか。

尹錫悦政権が10月31日、中国新疆地域のウイグル族の人権侵害を糾弾する国連声明に参加しなかったのに続き、11月16日にはロシアが強制合併したクリミア半島内の人権状況を糾弾する国連決議案にも棄権して非難を受けている。

尹大統領は機会さえあれば自由、人権、民主主義、法治などの価値を基盤にした外交を通じて国際社会の地位に見合った責任を果たすグローバル中枢国になると対内外に表明している。人権が人類の普遍的価値だという言葉も数え切れないほど口にした。

こういう韓国が中国とロシアの人権蹂躙(じゅうりん)には目をつぶるのは二律背反な行動だ。明らかに国の品格の失墜を自ら招いた下策である。人権政府を自任しながら中国とロシアの人権問題に関心を持たなかった文在寅政府と何が違うのか。

中国の人権蹂躙糾弾声明には米国と英国、フランス、日本など50カ国が参加した。ロシア人権糾弾決議案にも78カ国が名を記した。米日仏英独伊など自由民主陣営国家の大部分が賛成票を投じた。50カ国、78カ国が参加した人権改善活動に参加しないでグローバル中枢国になるというのは欲張り過ぎだ。

こういう政権が10月31日、北朝鮮人権決議案には賛成票を投じた。中国・ロシアと北朝鮮に適用した人権基準が違ったのだ。一貫性のある人権外交の原則と基準がないという傍証である。二重の基準を当てて選択的な人権外交を行う限り、決して人権先進国にはなれない。ふらふらした歩みが韓国人権外交のトレードマークにならないか心配だ。

外交部(外務省に相当)は、「国益やさまざまな観点を総合して考慮した」「普遍的価値を追求することには変わりはない」と釈明するが、虚(むな)しく聞こえる。

もちろん人権問題に敏感な習近平中国国家主席とウラジーミル・プーチン露大統領を刺激すると、報復が加えられる恐れがあることを憂慮した苦肉の策であることは分からなくはない。だとしても中国・ロシアの人権弾圧には決然と反対してこそ正しい。それが世界10大経済大国としてグローバル中枢国を夢見る国の道理であるからだ。

さらに韓国には既に外圧には容易に揺るがない国力があるではないか。韓国の人権外交の信頼度を高めるチャンスを逃したのは情けないことだ。政府は中国とロシアの前に立ちさえすれば萎縮する人権外交を反省し、これからは正道を歩まなければならない。

(金煥基論説室長、11月29日付)

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