
急逝を惜しみ献花式も
【ソウル川瀬裕也】ソウルで開かれている国際会議「サミット2022・指導者会議」(主催・UPF)で12日、首脳経験者らから先月凶弾に倒れた安倍晋三元首相の功績を称(たた)え、急逝を惜しむ声が相次いだ。
ドナルド・トランプ前米大統領は、ビデオメッセージで「安倍氏は良き友人であり偉大な人物」とした上で、「安倍氏の襲撃事件はとてもひどい犯罪で、世界全体の損失だ」と惜しんだ。
スティーブン・ハーパー前カナダ首相は「抑止力、強さ、同盟、平和といったテーマについて安倍氏以上に理解していた指導者はいなかった。安倍氏は私たちすべての人々に深く惜しまれるだろう」と高く評価した。
ニュート・ギングリッチ元米下院議長は「安倍氏が68歳という若さで亡くなったのは悲劇だ。彼が長年示してきた勇気と断固とした姿勢は世界に組み込まれた」と語った。
トランプ前政権で宗教顧問を務めたポーラ・ホワイト牧師は「日本国民を勇気づけるために祈りながら、偉大な首相だった安倍氏を記憶しましょう」と呼びかけた。
基調講演をしたマイク・ポンペオ前米国務長官は、安倍氏を「驚くべきアジアの指導者であり、親愛なる私の友人だ」と振り返った。
ポンペオ氏はまた、中国が台湾周辺で軍事演習を活発化させていることについて、「中国共産党が民主主義で平和を愛する台湾を今までにないやり方で脅かしている」と批判。「中国の外交当局者たちは口先で平和と言いながら、戦争のリスクを高め、自由を奪っている」と強調した。
会議では、舞台スクリーンに大きく映しだされた安倍氏の写真に向けて献花を捧(ささ)げるセレモニーも行われた。