【韓国紙】米中覇権競争の狭間で苦悩する韓国

5月21日、ソウルの新大統領府での首脳会談後、共同記者会見に臨むバイデン大統領(左)と韓国の尹錫悦大統領(AFP時事)
5月21日、ソウルの新大統領府での首脳会談後、共同記者会見に臨むバイデン大統領(左)と韓国の尹錫悦大統領(AFP時事)

政府は国益の観点で判断を

米国の対外戦略の最優先順位は中国牽制(けんせい)にある。5月の韓米首脳会談で議論したインド太平洋経済枠組み(IPEF)の立ち上げもその延長線上にあり、イエレン米財務長官が先週、訪韓して「フレンドショアリング」参加を促したのも同じ脈絡だ。

イエレン長官は訪韓日程の最初にLG化学を訪れ、「供給網強化のために主要友邦と経済協力を強化しなければならず、ここには韓国も含まれる」と述べた。バイデン大統領が5月、サムスン電子平沢半導体工場をまず訪問して「韓米技術同盟」を強調したことの後続措置と見られる。米国が主導する半導体・バッテリー供給網の再編に韓国の積極的参加を要請したのだ。

フレンドショアリングで米国が最も重点を置く分野が半導体だ。米国が韓国・日本・台湾を結ぶ半導体供給網協力体「チップ4同盟」を推進するのもこうした背景からだ。

米国にはインテル、クアルコム、エヌビディアのように半導体設計を得意とするファブレス(工場を持たない)業者は多いが、設計した半導体を委託生産するファウンドリ市場は台湾TSMCとサムスン電子などが中心だ。米国の半導体源泉技術と日本の素材・装備、韓国・台湾の製造能力を結合して中国の「半導体崛起」に対抗するという構想だ。

だが、米国のフレンドショアリングの動きが速くなるほど韓国の苦悩は深まる。来月までにチップ4同盟に加入するかどうかを米国に知らせなければならないが、気軽に決めかねるわけだ。米国との関係を考えれば、肯定的な答えを出すのが正しいが、“高高度防衛ミサイル(THAAD)の悪夢”がちらつく。中国が最も鋭敏な反応を見せる台湾が含まれるという点も負担になる。

米中の圧迫と牽制は強まっている。バイデン政権は最近チップ4同盟のための実務者レベルの会議を行うため、韓国に参加意思の確認を要請したという。駐韓中国大使は数日前、与党幹部に「外部の干渉を排除して半導体協力を強化しよう」と迫った。韓国のチップ4同盟不参加を迂回(うかい)的に要求したのだ。

政府の苦悩を理解できないわけではないが、韓国の国益が掛かる問題で、ひたすら右往左往するわけにはいかない。実益を計算して決めるのが合理的で賢明な処置だろう。韓国はメモリー半導体分野では世界1位だが非メモリー分野では後発走者だ。半導体の源泉技術が貧弱で素材・部品・装備の対外依存度も高い。チップ4同盟への参加は韓国の足りない点を満たす機会になり得る。

だが、チップ4同盟に加入しなければ、グローバルな半導体供給網から排除される危険がある。もちろんチップ4同盟に加入する場合、中国の報復で韓国の半導体生態系が大きな衝撃を受けうるだけに対応策の用意は必要だ。

米中覇権競争は韓国の対外環境を規定する決定的な要因だ。こうした流れはだいぶ長く続くだろう。韓国は両国の間で絶えず選択を求められる可能性が大きい。そのたびにためらうわけにはいかない。国益の観点から原則と方向を立てた後、これを実践しなければならない。それが進むべき道だ。

(元載淵〈ウォンジェヨン〉論説委員、7月28日付)