トップ国際朝鮮半島長い老後を生き抜くには… 韓国から

長い老後を生き抜くには… 韓国から

もう30年近く前の話になるが、初めて韓国に来た頃、印象的だった街の光景の一つに、黙々とリヤカーを引いて段ボールなどの廃品を回収するお年寄りの姿があった。
明け方から日没後まで集めた廃品を「古物商」と呼ばれる業者に持ち込めば、重さに見合った報酬をもらえる。まだ高齢者の多くが年金受給の対象になっていなかったか、受給額が少なかった時期、生活費の足しにしたり、小遣い稼ぎのためにリヤカーを引いていた。

今もリヤカーを引く高齢者を見掛けるが、近年は少し事情が変わってきた。家でじっとしているよりも外に出た方が精神衛生上いいと感じる高齢者が多いという。働く高齢者について書かれたあるネット記事に、建築資材関係の職場で働く72歳男性がこんな書き込みをしていた。「朝6時から夕方6時まで働くと精神的にもいい。子供たちは休んでと言うが、休むより幸せ。人間は生きている限り何かしら(仕事を)する方が健康にもいい」

韓国には百数十世帯に一つ設置が義務付けられている「敬老堂」という高齢者向け福祉施設がある。平均寿命が伸びて長くなった老後を生き抜く術の一つだが、単におしゃべりの場にとどまらず、ソーシャルワーカーが派遣され、ダンスや歌、パソコン、語学などちょっとした習い事感覚を味わえる。ただし、韓国人の大好きな日本の花札に興じ過ぎて、いつの間にか賭博場と化す恐れもあるとか。男性の参加率が高いというのもうなずける?(U)

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