【韓国誌】核ミサイルに固執する金氏3代

核兵器は先代の遺訓、開発・完成は“首領後継者の責務”

北朝鮮が今年に入って9回、ミサイルを発射している。月刊中央(3月号)で韓国グローバル国防研究フォーラム事務総長の李(イ)興碩(フンソク)国民大大学院兼任教授が北朝鮮は「なぜミサイルに執着するのか」を書いている。

北朝鮮は2017年11月、米国本土打撃が可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の発射を成功させ、「核武力完成の歴史的大業を実現した」として、事実上の「核保有国」宣言をした。

独裁体制、破綻した経済、国際社会からの制裁・孤立、国民は塗炭の苦しみ…、こうした悪条件の中で、なぜ金氏3代は核ミサイル開発に固執したのか、を分析した記事だ。

李氏は、「核兵器は先代の遺訓であり、これを継承・発展させることは首領後継者の責務と見做(な)されている」と説く。つまり、北朝鮮では世襲後継者の“証明”が核兵器開発・完成だということだ。

核兵器開発は初代の金(キム)日成(イルソン)からすでに始まった。1958年、在韓米軍に戦術核が配備されると、「核兵器保有こそが核の均衡を成し遂げる」として、62年に経済国防並進政策を開始する。

次代の金(キム)正日(ジョンイル)は深刻な経済難に加え、ソ連など社会主義体制の崩壊を目の当たりにする中で、「在来式戦力では南側に劣勢となる」現実から、「核ミサイル建設一本へと切り換えた」。

そして3代目の金(キム)正恩(ジョンウン)に至って、2013年に「自衛的核保有国の地位」を目指し、17年にICBMの発射実験に成功して、「核ミサイル作戦の運用段階に進入した」というわけだ。

それでは、韓国の対応策は何か。李氏はまず、「北朝鮮が抱えている経済状況が体制耐久性と関連する」こと、つまり北の経済的困窮が体制維持を揺るがしかねないという状況で、「非核化と経済支援を等価性で連携する戦略的に鋭い洞察力が必要」だという。言い換えれば、経済支援をテコとした核開発放棄を慎重に進めるべきだ、ということだ。

さらに「同盟間の信頼性を向上させる」こと、要するに米国の韓国防衛意思を確かなものにさせることが必要だと述べる。

だいぶ都合のいい論理だが、中国が後見となって、制裁の裏で北を支援している現実で韓国にどれだけバーゲニングパワーがあるかが一番肝心なのだが。
編集委員 岩崎 哲