コロナ禍で途上国の健康に貢献
世界平和や紛争解決、環境保全などに貢献した個人や団体を表彰する「鮮鶴平和賞」の第5回授賞式が12日、韓国・京畿道加平郡で行われ、英オックスフォード大のサラ・ギルバート博士と、途上国のワクチン接種を推進する国際組織「GAVIワクチンアライアンス」(本部スイス)が受賞した。
ギルバート博士は、英アストラゼネカと共同で新型コロナワクチンの開発に寄与。同ワクチンは保管・運送が容易で低価格であるため、医療環境が整っていない途上国の多くの命を救ったことなどが評価された。
GAVIは、途上国のワクチン接種率を向上させたほか、コロナワクチンの国際共同調達制度「COVAX(コバックス)」を主導し、世界で10億回分のコロナワクチンを供給したことなどが評価された。
ギルバート博士は受賞者演説で「一つの国も漏れることなくワクチン接種ができるように(ワクチンを)送らなければならない」と指摘。その上で「(今後は)疾病を管理・診断できる先端技術を持続的に開発する必要がある。人類共通の敵であるウイルスに対する防御力を高めなければならない」と訴えた。
ギルバート博士とGAVIにはメダルと50万㌦がそれぞれ授与された。
また鮮鶴平和賞の「創設者特別功労賞」は、カンボジアのフン・セン首相が受賞。東南アジアの持続可能な発展と繁栄のためにリーダーシップを発揮したと評価された。フン・セン首相は授賞式で「平和がなければ希望はなく、発展もない。人権や民主主義への尊重もない。平和は漠然とした夢でなく、具体的な行動であるという韓鶴子総裁の信念に同意する」と語った。