最近、パリ東郊外の富裕層が住むヴァンセンヌでユダヤ人のエズラとルイーズの結婚披露宴が行われた。エズラはバリバリのユダヤ家庭で育ったが、ルイーズは無宗教の家で育った。
伝統的なユダヤ人の結婚式は独特だが、彼らは役場で結婚式を済ませ、披露宴は地元の高級レストランに70人を集めて行った。
彼らが伝統的な結婚・披露宴を選ばなかった理由は、ルイーズのことを考慮し、エズラが望まなかったからだという。彼は大手航空会社のパイロットでパリ南郊外オルリー空港近くのユダヤ人街で育ち、子供の頃から空港で飛行機の発着を見て、パイロットに憧れ、その夢をかなえた人物だ。
フランス在住の約50万人のユダヤ人にはユダヤ教徒と信仰を実践しない人々が含まれる。特にライシテ(政教分離)のフランスでは、たとえユダヤ人学校に通い、ユダヤ教の食生活など戒律を守って育った場合でも、大人になってシナゴーグには通わないユダヤ人は多い。
中にはエズラのように食の戒律は守っても、ユダヤ式の結婚式を挙げず、非ユダヤ人と結婚する例は増えている。一方でユダヤ教を守らなくても祖父母がユダヤ人という理由で血統的、文化的、民族的アイデンティティーを持つ若者は増加している。結果的にエズラのような信仰を実践しないユダヤ人も珍しくない。
世俗化しても民族的・歴史的共同体を形成してきた伝統を持つユダヤ社会は、信仰を実践しなければ帰属意識がなくなるカトリック社会とは大きく異なる。
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