トップ国際欧州ハンガリー 親露路線を転換 露外交官10人を国外追放

ハンガリー 親露路線を転換 露外交官10人を国外追放

 【パリ安倍雅信】親ロシア路線で知られたオルバン・ヴィクトル前首相が4月の総選挙で敗れた後、ハンガリー政府はロシア外交官10人に国外退去を命じた。オルバン・アニタ外相は、対象者が「外交官として容認できない活動」に関与していたと説明し、「この決定はハンガリーの安全保障と主権を守るためのものだ」と述べた。これは、欧州連合(EU)内で最もロシア寄りとされたオルバン前政権からの外交路線の転換を象徴する動きとみられている。

 同外相は「ロシアとの外交関係を断絶することを意味するものではない」と述べたが、ロシアの外務省報道官は「反ロシア的なロビー活動への対応は厳しく、痛みを伴うものになるだろう」と述べ、強く反発した。4月に政権を獲得したマジャル・ペーテル首相は、ロシアとの「現実的な」関係を約束してきた。首相と外相は共に、ロシアに対しウクライナ戦争の終結を求めている。

 親EUの新興政党「ティサ(尊重と自由)」を率いるマジャル首相は自身が所属していた、オルバン氏率いるフィデス党の政策から正式に決別し、ウクライナにおけるロシアの行動は「ハンガリー、欧州、そして国際秩序に対する脅威である」と明記した新たな指針を明らかにした。

 マジャル氏が首相に就任する以前、ハンガリーは長年にわたり、安価なロシア産原油の輸入などを理由に、ロシアとの緊密な関係の維持を主張していた。オルバン前首相は、EUによるウクライナへの援助に反対し、ロシアに対する制裁措置の実施を繰り返し延期させた。ブダペストのロシア大使館は、ロシア軍情報機関の将校3人がハンガリーの選挙に影響を与えるためにブダペストを訪れたとする報道を虚偽として否定している。

 一方、ハンガリーと中国は、オルバン政権時代、「一帯一路」への参加やEⅤ関連の巨額投資を通じて、欧州で最も緊密な「全天候型の包括的戦略パートナーシップ」へと関係を深めていた。新政権が対中関係を見直す中、中国企業の欧州進出の足掛かりとされていたハンガリーが対中ビジネスの再検討を進める可能性も出てきた。

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