【パリ安倍雅信】来年4月に行われるフランス大統領選での右派・国民連合(RN)マリーヌ・ルペン氏の勝利が現実味を帯びてきた。

世論調査会社イプソスが、日刊紙パリジャンのために実施した調査によると、第1回投票でルペン氏が大幅にリード、中道右派のエドゥアール・フィリップ元首相、急進左派「不服従のフランス(LFI)」のジャンリュック・メランション氏が続く。
ルペン氏は今年7月、欧州連合(EU)の公金不正流用事件の控訴審で有罪判決を受けた(上告中)が、調査結果は裁判が支持率の低下につながっていないことを示している。
イプソスが検証したすべてのシナリオで、ルペン氏は34~36%の票を獲得し、他のすべての候補者を大きく上回っている。メランション氏は14.5~15%、フィリップ氏は14.5~16.5%だった。
ただし、ルペン氏は依然として賛否の分かれる政治家であり、2022年大統領選では有権者の警戒感もあって決選投票でマクロン大統領に敗れた。
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他の欧州主要国でも、移民問題で強硬姿勢を取る右派の台頭が目立つ。英国では、右派リフォームUKのナイジェル・ファラージ党首が勢いを増している。ドイツでは6日実施された旧東独ザクセン・アンハルト州議会選で、右派野党「ドイツのための選択肢(AfD)」が圧勝した。
ただ、移民問題やイスラム教徒の増加だけが右派を勢いづかせているという単純な構図ではない。英仏独伊の右派勢力では、以前と異なり、脱EU、脱ユーロの主張が弱まる一方、EUそのものを内側から変えたいという主張が目立っている。
EUでドイツに次ぐ大国だった英国がEU離脱によって政治的にも資金的にも多大な負担を負ったことで、脱EUへの支持が弱まっていることが背景にある。無宗教的なリベラリズムが欧州に定着する一方で、将来の欧州像が見えにくくなっているという指摘もある。
米国のトランプ政権によるEU批判にも、こうした行き過ぎたリベラリズムへの批判がある。その意味では、EUがこれまでのリベラル路線をどこまで見直し、保守的な方向へ軌道修正するのかが今後の焦点となりそうだ。







