大統領選まで1年を切ったフランスで、フランスらしい話題が浮上している。それは次期大統領候補の支持率トップを走る右派・国民連合(RN)のジョルダン・バルデラ欧州議会議員を巡る、想定をはるかに超えたゴシップ騒動だ。
RNは現在、下院で最多の122議席(全577議席中)を占める政党だ。RNと言えば、極右・国民戦線の流れをくむ小政党だったが、創設者の娘、マリーヌ・ルペン氏が庶民重視の路線に転換し、政権政党への脱皮を模索し、勢力を拡大している。
30歳のバルデラ氏は、イタリア移民系で祖父母の1人はアルジェリア人という異色の出身だが、端正な顔立ちで支持率が上昇し続けてきた。ところが同氏は、今年4月、ブルボン家の両シチリア王国の王位継承者であるマリア・カロリーナ・ド・ブルボン・デ・ドゥ・シシル王女(23)との交際が明らかになり、本人も認めている。
バルデラ氏は庶民の出身であるのに対しマリア・カロリーナ氏は、消滅した王朝とはいえ超富裕層で、モナコ、パリ、ローマに邸宅を持ち、オフショア信託で管理されている1億3000万ユーロ(約240億円)を超える一族の財産の相続人でもある。庶民派の政治指導者と高貴な血を引く超富裕層女性とのゴシップはメディアを騒がせている。
ブルボン家出身の女性がファーストレディーになれば、フランス王朝最盛期を築き、べルサイユ宮殿を建設した17世紀のブルボン朝第3代の国王ルイ14世の血筋を引く「フランス王家の復活」という指摘もある。フランスは政治家の恋愛事情に寛容な国だが、有権者にどう影響するのか注目が集まっている。
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