【ウィーン小川敏】トランプ米大統領は22日、FOXニュースとのインタビューで、北大西洋条約機構(NATO)のアフガニスタン支援ミッションについて、「米国はNATOを必要としたことは一度もない。NATOのいくつかの国がアフガニスタンに部隊を派遣したが、部隊は少し後方、前線からやや離れた場所に留まっていた」と発言。欧州のNATO加盟国から「犠牲となった兵士への侮辱」といった強い反発の声が上がった。
NATOのアフガン派兵は、2001年9月11日の米同時多発テロ後のタリバン政権崩壊を受け、治安維持と国軍支援を目的に2003年から実施された。ピーク時には約13万人に達し、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、トルコなど、NATO加盟国を中心に展開。一時は約50カ国以上が支援を提供した。21年8月のタリバン政権の復活により20年におよぶNATO軍の活動は幕を閉じた。20年以上続いたアフガン駐留での死者は 同盟国全体で約3500人以上に達した。
米国防総省などによると、死者数は、米国2461人、英国457人、カナダ159人、フランス90人、ドイツ62人、イタリア53人、デンマーク43人、ポーランド43人などだ。
この発言に対し英国のスターマー首相は「トランプ大統領の発言は不快で、本当にひどい。アフガニスタンで愛する人を亡くした、あるいは負傷したすべての人々を傷つけるものだ」と謝罪を求めた。
ドイツのピストリウス国防相も「ドイツは多大な犠牲を払った。兵士59人と警察官3人が死亡した。負傷者の多くとその家族は、今もなお苦しみを強いられている」と指摘した。
イタリアのメローニ首相も「NATO諸国のアフガニスタンにおける貢献を軽視する発言は、特に同盟国からの発言であれば、決して受け入れられない」と主張。「イタリアと米国は、共通の価値観と歴史的な協力に基づく強固な友情で結ばれている。しかし、友情には相互尊重が不可欠だ」とくぎを刺した。
欧州諸国からの強い反発を受けたトランプ氏は24日、自身のSNSで、「英国の偉大で非常に勇敢な兵士たちは、常に米国と共にある!」と、英兵については称賛の言葉を送った。






