
【パリ安倍雅信】欧州で米政権についての発言が注目されるイタリアのジョルジャ・メローニ首相は9日、米国がデンマーク自治領グリーンランド取得に強引な手段も辞さないとしていることについて、「米国が軍事行動に出るとの仮説は信じていない」、と改めて強調した。また北大西洋条約機構(NATO)は現在、安全保障上、北極圏重視であり、トランプ大統領が指摘する中露など敵対国に対して、プレゼンスを高めるべきと述べた。
欧州諸国の多くは、トランプ氏によるグリーンランド領有への意欲を批判しているが、メローニ氏はトランプ氏に一定の理解を示している。年頭記者会見では、米国によるグリーンランド領有に向けた軍事行動の選択肢は「誰の利益にもならず、米国の利益にもならない」と主張した。
さらにメローニ氏は、「米国の安全保障と国益にとって、(グリーンランドが)極めて戦略的に重要な地域であり、強硬な方法で戦略的重要性に注目を集めている」と分析している、と付け加えた。欧州でのメローニ氏による、トランプ氏の真意についてのコメントは注目度が高い。
メローニ氏の主張は、安全保障上、緊張度の増す北極圏に対してNATOは「強力かつ重要なプレゼンスを確立し、グリーンランドも巻き込む必要がある」との意味を持つ。米国から見ればデンマーク自体が抱く危機感は低く、放置すれば中国やロシアに事実上の管轄権が移る可能性があるとの見方に同調するもの。今年は日伊外交関係樹立160周年に当たり、メローニ首相は15日に来日し、高市早苗首相との首脳会談に臨む予定。両国間の安全保障・経済協力のさらなる強化が期待される。






