【パリ安倍雅信】フランス軍のマンドン参謀総長は22日、「欧州の多くの国が兵役制度を再導入」しており、フランスも議論すべき時が来ていると語った。欧州で徴兵制を導入しているのは約10カ国だが、軍事的緊張が高まる中、兵役制度を廃止した国も志願兵の増強に舵(かじ)を切ろうとしている。
フランスは、2001年11月に徴兵制度を停止した。ドイツも徴兵義務を11年に停止し、志願制度に移行している。ドイツが欧州最強の軍隊へ志願制を施行するのに伴い、フランス政府も30年までに10万人の予備役兵を募集し、軍の規模を拡大することを目指している。
オランダでは、17歳の男女全員が誕生日に政府からの兵役義務があることを伝える通知を受け取る。兵役は1997年以降停止されているものの、フランスほど明確な停止ではない。理論上は、今のところ出動義務はないが、深刻な新兵不足から、スウェーデン式の選抜制かつ短期の徴兵制度を検討中だ。
ベルギーでは、18歳全員に新たに導入された1年間の志願兵制度について知らせるための招待状が送られる。数千人の新兵と予備役兵を募集する陸軍は、23日にリエージュで最初の説明会を開催し、約100人の若者が参加した。徴兵問題が静かに再燃しているベルギーにとって象徴的な一歩と言われている。
現在、徴兵制があるのはフィンランド、デンマーク、オーストリア、ギリシャ、キプロスなどで、スウェーデンは、男女ともに義務的な制度があったが、2010年に平時の徴兵義務(男性対象)」が事実上停止され、純粋な志願制に移行した。22年のロシアのウクライナ侵攻を受け、義務を再導入(男女対象)し、選抜型徴兵の形を取っている。
欧州各国は安全保障環境の悪化を受け、志願兵、徴兵の増強を行っている。特に志願制だけで兵力の確保が難しく、「制度的手段」「緊急時、危機時の動員」の調整が最大の課題となっている。





