【パリ安倍雅信】欧州連合(EU)は19日、ロシアに対する新たな包括的制裁措置を発表した。化石燃料、金融、技術情報などで、従来の措置の回避を支援したとされる、外国企業への規制強化を目的としたものだ。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は会見で、ロシアによるウクライナでの軍事的緊張の高まりへの対応と説明した。
新たな措置を受け、欧州連合はロシア産液化天然ガス(LNG)の輸入禁止を徹底する。対露の銀行取引規制をさらに強化、規制回避に利用されてきた暗号通貨のプラットフォームを初めて標的にする。措置の背景として、ロシアによるこの1カ月間の、ウクライナへの大規模ドローンとミサイル攻撃、また首都キーウのEU外交事務所の被害を例示しながら、同委員長はロシアが「外交と国際法軽視を極限まで高めた」と非難した。
欧州は圧力強化を決定し、ロシア産LNGの完全禁輸の実施を1年前倒して2027年1月からとし、これを「ロシアとのエネルギー関係断絶の集大成」と捉える。
ロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、EUのロシア産ガスの輸入全体に占める割合は約45%から、2024年までに19%に落ち込んでいた。





