
カトリック教会のミサで女性信者のマンティラ(レースのベール)着用が復活し、波紋を呼んでいる。フランスではマンティラは長らく廃れていたが、背景には、カトリック伝統主義の復活があるのではないかとみられている。
この現象は、メラニア米大統領夫人が、今年4月の故フランシスコ・ローマ教皇の葬儀で、黒いマンティラを着用していたことが影響を与えたとされている。スペイン発のマンティラはフランスでは過去に教会ミサで大多数の女性信者が着用していた。
そもそものルーツは、新約聖書「コリント人への第一の手紙」の一節、「女が頭に覆いを着けずに祈ったり預言したりすると、自分の頭を辱めることになる。それは、まるで髪を剃(そ)ったのと同じである」(11章5節)にあるとされる。マンティラは母から娘、孫娘に受け継がれていたが、女性の自由意思が尊重されるようになり、廃れていた。
ところが20代のカトリック女性が自分の意思でマンティラを着用する現象がこのところ見られるようになった。イスラム教から改宗したという40代の女性は仏カトリック系日刊紙の取材に対し、礼拝の際に頭を覆うのは「ミサを特別なひとときにするため」と説明。また、別の女性は女性の身体を聖域、つまり生命を宿す時に「神の指が触れる」ものと考えるようになったと証言している。
一方、40歳の女性は、マンティラを身に着けることはまさに「神への服従」の証しとしている。また、マンティラは「他の場所に目を向ける誘惑に抵抗する」助けとなり、不必要な誘惑を回避し、男性の視線から身を守ることをも意味すると証言している。
フランスではカトリック洗礼希望者が増えており、伝統的価値への回帰も指摘されている。(パリ安倍雅信)






