トップ国際欧州新興極右が野党第1党に ポルトガル総選挙

新興極右が野党第1党に ポルトガル総選挙

【パリ安倍雅信】18日に実施されたポルトガル議会(一院制、定数230)選挙の最終結果で、新興右翼ポピュリスト政党シェーガが第2党、最大野党の座を獲得した。28日夜に在外投票約30万票の開票が終わり、全議席が確定した。

今回の選挙では、中道左派の社会党か極右シェーガのどちらが野党第1党になるかが注目された。シェーガは60議席を獲得する一方、社会党は58議席にとどまり、第3党に転落した。中道右派・民主同盟(AD)は過半数には至らなかったものの、91人を獲得して第1党を維持した。

ポルトガルは、西ヨーロッパで最も長い独裁政権(1926~74年)を経験したこともあり、欧州でポピュリズム勢力が台頭する中でも右傾化が抑えられてきた。シェーガが第2党となったことは国内外に衝撃を与えており、極右政党がこれほど台頭したのは、74年のカーネーション革命でファシズムが崩壊して以来、初めて。

ポルトガルはインド、パキスタン、ネパールなどからの移民流入に直面し、保守右派とポピュリスト右派勢力を吸収したシェーガは徐々に反移民の急先鋒(せんぽう)となり、最近ではトランプ米大統領の自国中心主義の影響も受けていた。

シェーガは2019年に元スポーツ解説者のアンドレ・ベンチュラ氏によって設立されて以来、歴史的な躍進を何度も成し遂げ、同国の2大政党制を崩壊させた。結果的に既存政党の穏健左派と穏健右派だけでは、議会で憲法改正に必要な3分の2の多数派を獲得できなくなった。今回大きな打撃を受けたのは20議席を失った社会党だった。

選挙結果を受け、マルセロ・レベロ・デ・ソウザ大統領によって首相に再任される可能性が高いルイス・モンテネグロ氏は、困難な任務を担うことになる。今秋には市議会選挙、26年1月には大統領選挙が行われるが、政治的不安定がしばらく続きそうだ。

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