
【パリ安倍雅信】フランスのマクロン大統領は9日、パレスチナを国家として承認する準備があると表明し、これが仏議会内で波紋を呼んでいる。
イスラエルは、ハマスとの停戦期間中にもガザを攻撃し、子供を含む多くの犠牲者が出ている現状を受け、テロへの報酬と逆襲を正当化している。このような背景の中で、マクロン大統領は「パレスチナを国家承認する用意がある」と述べている。ガザ戦争の開始以来、マクロン氏はイスラエルのネタニヤフ首相に批判的だ。
この表明は、フランスがネタニヤフ政権からさらに距離を置き、イスラエルとパレスチナの問題を「2国家解決」に向けて後押しすることを示している。承認の支持表明はG7としては初めてのことであり、フランスはサウジアラビアと共同議長を務めるイスラエル・パレスチナ紛争解決に関する国連会議(ニューヨーク)で、今年6月の承認を目指すとしている。
最近のエジプト訪問を終え、マクロン氏は「私は(パレスチナの)国家承認をするだろう。いつかそれが正しいことになると信じている」と述べた。また、彼は「パレスチナを擁護するすべての人々が、イスラエルを承認する集団的な力学に参加したいと考えている」と付け加えた。
フランスは常に「2国家解決」を支持してきた。だが、国家承認となると歴史的な一歩になると仏メディアは伝えている。「パレスチナは、まだ法的に国家として認められるための必要な主権の属性を有していない。しかし、政治的に、特に国連安全保障理事会の常任理事国であるフランスから承認されれば、大きな意味を持つだろう」と、仏国際問題研究所は指摘している。
トランプ米大統領は最近、ガザを「中東のコートダジュール」にしたいとし、パレスチナ住民を周辺国に移住させる案を提案した。ワシントンを訪問したネタニヤフ氏もこれを評価している。
一方、現在、約150か国がパレスチナ国家を承認しており、2024年にはアイルランド、ノルウェー、スペイン、スロベニアが新たにリストに加わった。そこに今年、フランスが加わることになる。