トップ国際欧州スターマー首相 グローバル化の終焉を宣言

スターマー首相 グローバル化の終焉を宣言

トランプ関税10%の英国

マクロン仏大統領(左)とスターマー英首相(2025年3月2日、ロンドン(EPA時事)
マクロン仏大統領(左)とスターマー英首相(2025年3月2日、ロンドン(EPA時事)

英国からの報道によると、スターマー英首相は7日、グローバリゼーションの終焉(しゅうえん)を宣言し、その前日にはジョーンズ英財務次官が同様な発言を行った。トランプ米大統領が英国の10%を含む世界的な貿易関税を課したことによる影響が拡大する中で、スターマー氏は英国企業を守るため、国家介入を行うことを示唆した。

英国は他の国々に比べ、かなり低い10%の「基本」輸入関税を課せられた国の一つだが、同国は関税を引き下げる貿易協定の交渉を継続中だ。一方、野党・保守党のバデノック党首は、グローバリゼーションは終わったという意見に反対し、他国との「素晴らしい」貿易関係を指摘した。英政府は、「われわれが知っている世界はもう終わってしまった」として産業政策の全面的見直しを宣言した。

英国政府は、他国がしているように米国の関税に対抗関税で応じる政策を講じていない。英米貿易協定に重点を置いた「冷静な」アプローチを好むと政府閣僚は述べている。さらに水面下の米国との交渉で英国への米国の追加関税は低く抑えられており、外交努力が成果を上げていると述べている。

ただ、英農家への厳しい食品規制や、児童保護を含むオンライン安全基準への米国の緩和要求に妥協すべきではないとする主張は与野党議員から聞かれる。英サンデー ・テレグラフ紙に寄稿したスターマン氏は、関税に関しては「当面の優先事項は冷静さを保ち、最良の取引のために戦うことだ」と述べた。さらに今後数日間で「国内競争力を高める計画を加速させる」と述べた。

【パリ安倍雅信】

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