トップ国際欧州ウクライナ支援策、EU首脳合意できず  

ウクライナ支援策、EU首脳合意できず  

20 日 、 ブ リ ュ ッ セ ル で 欧 州 連 合 ( E U ) 首 脳 会 議 に 臨 む ハ ン ガ リ ー の オ ル バ ン 首 相 ( A F P 時 事 )

【パリ安倍雅信】欧州連合(EU)は20日開催した新たなウクライナ支援策を協議する首脳会議で、ハンガリーのオルバン首相の反対で支援策について合意できず、全会一致の決定を断念した。残りの加盟26カ国は支援強化などを掲げる文書を採択した。カラス外交安全保障上級代表(外相)の2025年400億ユーロ(約6兆5000億円)規模の軍事支援を全加盟国に課す提案は見送られた。

さらに50億ユーロ(約8100億円)の弾薬支援のカラス氏の提案も見送られた。同提案については、フランスとイタリアが反対し、フランスはロシアの凍結資産を活用した軍事支援の拡大に重きを置くこと主張した。今回の提案は米国のウクライナ支援の低下に危機感を持つEUの欧州委員会が機動性を持って支援するため提案されていた。

全加盟国一致が原則の支援策は、今月6日に続き、特別首脳会議としては2回連続で断念した形だ。ロシアは米国とEUの分断、EU内での亀裂により、ウクライナ支援を改めて確認しようとするEUの結束が揺らぐことを願っている。

EUでは、ロシアから化石燃料を買い続けるロシア寄りのハンガリーが、ロシアのウクライナ侵攻以来、対ロシア制裁に同意せず、EUの全加盟国一致の意思決定を何度も阻んでいる。トランプ米政権が主導するロシアとの停戦交渉で、オルバン氏はウクライナ支援継続への反対をさらに強めているようだ。

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