
【パリ安倍雅信】フランスのマクロン大統領は18日、「空軍用ラファール戦闘機の発注を増やし、製造を加速させる」と明らかにした。地政学的な「変化」に対処する、同国の新たな防衛投資の一環としての決定。
ドイツ連邦議会(下院)が防衛費とインフラ支出の大幅増のための法案を可決するなど、欧州連合(EU)が再軍備に舵(かじ)を取る中、フランスも防衛力強化に大きく舵を取った形。
マクロン氏はオートソーヌ県のリュクスイユ=レ=バン空軍基地を訪問し、追加投資の決定は「今後数週間以内に」発表され、ダッソー・アビアシオン社の戦闘機「ラファール」の発注増が空軍に有益、と述べた。また同社の別の戦闘機「ミラージュ」のキーウ移送による、ウクライナ空軍との統合も自然な選択と付け加えた。予算は18日、必要な3分の2以上の多数で、国民議会(下院)で承認されている。
仏政府はまた、「核抑止力の近代化」着手の方針も示し、2035年までのリュクスイユ=レ=バン空軍基地の改修に、15億ユーロ(約2450億円)を投じる計画とした。
北大西洋条約機構(NATO)同盟国の米国が、欧州防衛への関与を弱めるリスクに直面する中、ロシアの脅威を前提にドイツは最近、フランスの核の傘の下に入る選択肢を模索し、マクロン氏も同議論を開始したいと表明している。