トップ国際欧州EU財務相、防衛力強化へ資金調達協議 6月決定目指す

EU財務相、防衛力強化へ資金調達協議 6月決定目指す

 【パリ安倍雅信】欧州連合(EU)財務相らは10日、防衛力強化への資金調達のための新たな共同借り入れ、既存のEU基金、欧州投資銀行の役割拡大について協議し、6月の決定を目指す。

米国のウクライナ支援が一時凍結され、米欧州同盟が揺らいでいることを受け、欧州諸国は国防費の増額とウクライナへの支援維持を急いでいる。サウジアラビアで行われるルビオ米国務長官とウクライナ外交当局者との12日の協議を見守りながらも、欧州防衛体制強化への資金調達は急を要する課題となっている。

欧州の防衛力を体系的に発展させるには、安定した予測可能な資金調達の枠組みが不可欠との認識をEUは共有している。財務相らは、欧州委員会のフォンデアライエン委員長が4日にブリュッセルで発表した1500億ユーロ(約23兆4000億円)の融資案を可能にすることを目指す。

さらに、民間と軍の両方に利益をもたらす二重用途プロジェクトに資金を提供するためのEU結束基金の使用についても議論する予定。欧州は軍事装備品を生産する能力を早急に上げることが求められている。資金調達の自由度を高めるため、会議2日目は国家支出の増額を可能にするためにEUの税制をどう変更するかも議論予定だという。

フォンデアライエン氏は記者団に、「われわれは再軍備の時代に突入した。欧州は防衛費を大幅に増やす準備ができている」と述べた。

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