【ウィーン小川敏】在欧の韓国外交筋が4日、本紙に明らかにしたところによると、トランプ米大統領は朝鮮半島問題を巡る金正恩朝鮮労働党総書記との会談を、ロシアのプーチン大統領を加えた3カ国会談とすることを目指している。
北朝鮮は昨年、ロシアと「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結、1万2000人を露軍支援のために派兵した。そのため、ロシアとウクライナの停戦後、朝鮮半島の非核化問題は、ロシアを加えた3カ国会談の方が進展が期待できるとトランプ氏は考えているという。ただし正恩氏はトランプ氏との2カ国会談を願っているとされ、3カ国会談の実現性は、現時点では不透明だ。
一方、韓国政府は朝鮮半島問題で韓国が外されることを懸念、米朝露にさらに自国を加えた4カ国となるよう対米交渉を進めたい意向だ。だが尹錫悦大統領が弾劾訴追され、「内乱罪の首謀」容疑で起訴されるなど、内政が不安定化していることを受けて、トランプ政権は「韓国外し」に傾きつつあるようだ。
また、同外交筋によると「北の兵士は戦場で負傷すると、捕虜になることを避け、自害する場合が少なくない」、北の軍指導部も、ウクライナでは「捕虜にならず、自害せよ」と教育しているという。
2人の北朝鮮兵士が負傷し、ウクライナの捕虜となった。うち1人がウクライナにとどまりたい意向を示しているという。同筋は、韓国憲法では北の住民は本来、韓国国民であり、北の兵士らは韓国に行く権利を有すると指摘、捕虜の待遇に関するジュネーブ条約を基に、北への強制送還を避け、「自発的な韓国行き」を願うと述べた。