【パリ安倍雅信】シリアのアサド政権崩壊を受け、カタールやトルコが新勢力に接触し、首都ダマスカスに大使館を再開する中、フランスも17日、外交使節団を12年ぶりに首都に派遣、大使館再開の準備に入った。フランスは、シリアの委任統治国だった過去があり、シリアとは元来縁が深い。
シリア担当ジャン=フランソワ・ギョーム特使率いる仏代表団は17日、ダマスカスに到着、仏大使館にフランス国旗を掲げた。一方、仏政府はシリアの新興勢力が引き続き、過激派組織・イスラム国(IS)との戦いを続けるよう要請した。
シリアでISが勢いを増し、アラブ系移民の多いフランスでもイスラム聖戦主義が拡大、シリアやイラクに戦闘員が送られ、フランスの対シリア関係は他の欧州諸国や米国同様、断絶状態にあった。仏外交団が今日、新たな対話の糸口を探り始めている。
外交団は新しい指導者らと接触し、ダマスカスに存在する他国の大使館、また幾つかのフランスの機関の状況を調査することから開始した。歴史的にシリアに重要な文化遺産があるなど、文化的関係を持っていたフランスは、その確認作業も急いでいる。