【パリ安倍雅信】フランス外務省は27日、国際刑事裁判所(ICC)が出したイスラエルのネタニヤフ首相に対する逮捕状について、「免責規定の対象になる」との見解を表明した。バロ仏外相は、一部の指導者に対してICCの訴追から免責される可能性があると見なしていると述べていた。バロ氏はラジオ局フランス・アンフォのインタビューで、ネタニヤフ氏が入国した場合、フランスは逮捕するかとの質問に明言を避けた。
ICCは今月、ネタニヤフ氏とイスラエルのガラント前国防相、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配しているイスラム組織ハマスの軍事部門トップのムハンマド・デイフ氏に逮捕状を出した。欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)は、ICC逮捕状には「拘束力」があり、執行されなければならないとの認識を示している。
一方、フランスには欧州最大規模のユダヤ人社会が存在し、ネタニヤフ氏の逮捕・身柄引き渡しは大きな社会問題を引き起こす可能性がある。同時に欧州最大の600万人のアラブ系移民社会も抱えており、ネタニヤフ氏への免責も強い反発が予想される。