【パリ安倍雅信】デンマーク領グリーンランドで身柄を拘束されている反捕鯨団体シー・シェパードの創設者ポール・ワトソン容疑者がフランスへの亡命を申請していることについて、フランスのバロ外相は18日、「法的問題がある」として難色を示した。
ワトソン容疑者は日本の調査捕鯨船に対する妨害行為を指揮したとして、2010年に海上保安庁が威力業務妨害などの容疑で国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配していた。今年7月、グリーンランドに寄港した際、デンマーク当局に身柄を拘束され、日本政府が引き渡しを求めている。
フランスに拠点を置くシー・シェパードは16日、反捕鯨運動への支援者の多いフランスにワトソン容疑者が亡命申請したことを明らかにした。同容疑者は4日、マクロン仏大統領に宛てた書簡の内容をSNS上で公表し、日本政府の引き渡し要請は「政治的意図に基づくもの」と抗議した。