【パリ安倍雅信】フランスのマクロン大統領は15日、イスラエルのネタニヤフ首相に対して、「自国が国連決議によって建国されたことを忘れてはならない」と述べ、国連の決定遵守(じゅんしゅ)と停戦を訴えた。
マクロン氏の発言は停戦のため、パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエル軍が使用する武器の供与停止を各国に要請した数日後に当たる。
発言にはイスラエルが、レバノン南部の国境沿いで監視任務を負い、仏軍も派兵している国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の基地を直接攻撃し、負傷者が出た背景がある。
ネタニヤフ氏は、マクロン氏による武器供与の停止要請に「恥を知れ」と反発していた。また「イスラエル国家を樹立したのは国連決議ではなく、むしろ独立戦争で血を流した英雄戦士らによって勝ちとられたもので、彼らの多くはホロコーストの生存者だった」と反論した。
UNIFILとイスラエルの間には今日、強い緊張が走る。
イスラエル建国については1947年11月、国連総会がパレスチナ分割決議を採択、パレスチナをユダヤ国家とアラブ国家に分割する計画に従い、翌年、イスラエルが独立を宣言した。