
【パリ安倍雅信】7日の国民議会(下院)選後、初めてとなる議長選が実施され、ヤエル・ブロンピベ氏が再選された。フランスで4番目に高い地位にある下院議長のポストは、急進左派「不屈のフランス」を含む左派連合の新人民戦線(NFP)がつかむ可能性もあったが、マクロン派のブロンピベ氏が再選され、左派による議会支配をまずは阻止した。
現時点で首相が決まっていないため、マクロン陣営の影響力に懸念が生じていたが、土壇場で右派議員が合意したため、次期政権に対して予想以上の役割をマクロン氏が果たす道が開かれた。今回の議長選は、分裂したフランス議会で首相指名を占う試金石とみられ、中道派と中道右派は力を合わせることで政治的勢いをつかみ、左派を抑えることに成功した。
仏メディアは、フランスの政治近代史では、国民議会議長は常に首相と同じ陣営に属しており、そうでなかったら歴史的な出来事となるだろうと指摘している。首相選出に伴う混乱で、今後数年は政治のまひ状態が続く可能性がある中、仏メディアは、中道から議長が再選されたことで「行き詰まりをわずかに打破する道が見えたかもしれない」と指摘した。