トップ国際欧州フランス、アタル内閣が総辞職

フランス、アタル内閣が総辞職

第1党で内紛 首相指名難航

フランスのアタル首相(16日、パリ AFP時事)
フランスのアタル首相(16日、パリ AFP時事)

【パリ安倍雅信】フランスのマクロン大統領は16日、アタル首相からの内閣総辞職を受理。暫定政権による移行期間に入った。同国は7日、国民議会(下院)選挙の決選投票の結果、左派連合の新人民戦線(NFP)が最多議席を獲得したものの、過半数に至らず、首相指名が難航している。

6月30日の第1回投票でトップに躍り出た右派・国民連合(RN)が議会多数派を占めるのを阻止するため、急遽(きゅうきょ)NFPが設立された。ところが、RNつぶしの目的だけでつくられたNFPは、選挙後すぐに内部対立が露呈。そのため、首相候補者が絞り込めず、新政権樹立ができない状況が続いている。

憲法では選挙後の首相指名までの期限が定められておらず、首相が確定するまで解散した政府の閣僚が暫定政権を担う。政治的決定が必要な業務は行われず、政治判断が不要な行政実務だけを暫定政権が受け継ぐ。

NFP内の亀裂収束の見通しは立っていない。26日にはパリ五輪の開会式が行われる。選挙で第2勢力となったマクロン派のアンサンブルは首相指名で主導権を握れず、超党派の政府を築けない。

15日、パリ市内で警備中の同国軍兵士が刺され、負傷する事件が発生した。治安に関する緊急事態にはダルマナン暫定政権内相が責任を持つが、テロなどへの対応に不安の声が上がっている。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »