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移民対策巡り内相が野党牽制 英総選挙

【パリ安倍雅信】7月4日に実施される英総選挙で劣勢が伝えられる与党・保守党のクレバリー内相は今月24日、英紙テレグラフへの寄稿で、「労働党が勝てば、英国は世界の難民受け入れの中心地になる」と警告した。移民対策は総選挙の争点。スナク政権は今年、不法移民のアフリカ・ルワンダへの強制送還措置の法制化に踏み切ったが、野党・労働党は人道上問題があると強く反発している。

労働党が政権を奪取すれば、送還措置は廃止される可能性が高い。不法移民はフランス北西部の海岸から連日、ボートで英仏海峡を渡り、英国に押し寄せている。その数は昨年2万9437人、今年はすでに7000人に上り、16人が死亡した。出身国はイラン、アフガニスタン、イラク、アルバニアなど数十カ国に及ぶ。

クレバリー氏は「今回の選挙では、二つの選択肢がある。保守党は移民を大幅に削減する明確な計画を持っているが、労働党に計画はない」と批判。「移民の増加が地域のサービス、学校、住宅に与える負担を国民はよく知っている。当然、それらは減らされるべきだ」と主張した。

2010年までの労働党政権で移民は急増した。だが、保守党政権下でも不法移民は増え、欧州連合(EU)離脱までは、EU域内からも人の自由な移動の保証で労働者がなだれ込み、それがEU離脱の引き金の一つになった。移民政策論争は投票日ぎりぎりまで続きそうだ。

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