【サンパウロ綾村悟】ロシア国防省は11日、北方艦隊に所属するフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」と原子力潜水艦「カザン」の2隻が、大西洋で高精度ミサイルの演習を開始したと発表した。
国防省広報部によれば、演習はコンピューターシミュレーションを使用。600㌔以上離れた目標を想定した訓練で、40秒の映像も公開しているが、ミサイルが実際に発射された様子は映っていない。
アドミラル・ゴルシコフはロシアの新型フリゲート艦。ロシア海軍によると、一昨年には、同艦を用いた極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」の発射実験を行い、成功させている。カザンも巡航ミサイル搭載能力を持つ。
アドミラル・ゴルシコフとカザンは、補給艦など別の2隻と共に、12日にキューバに寄港する予定だという。こうしたミサイル演習とキューバ寄港は、ウクライナ侵攻で対立が深まっている米国への牽制(けんせい)の目的があるものとみられる。
バイデン米大統領は先月末、ロシアと戦闘を続けているウクライナに対して、米国が供与した兵器によるロシア領内への限定的な攻撃を容認したばかりだった。
キューバ外務省は、どの艦艇にも核兵器は搭載されていないと主張している。