【ヘルシンキ吉住哲男】フィンランドで11日、大統領選の決選投票が始まった。保守「国民連合」のアレクサンデル・ストゥブ元首相(55)と無所属として出馬した左派「緑の党」のペッカ・ハービスト前外相(65)の争い。各種世論調査では、両者の支持率は拮抗(きっこう)している。
両候補は共に対露強硬派。ただ、核抑止力についてストゥブ氏は、北大西洋条約機構(NATO)がフィンランドに提供している防御的保護の中心部分だという認識を持つ一方、ハービスト氏は、フィンランドの核兵器配備の選択肢はないとしている。
ストゥブ氏は「NATOの加盟後、フィンランドの安全保障は十分だと考えるか。また、ロシアの核の脅威に対抗できるか」との本紙の質問に対し、はっきりと「(安全保障は)十分だ」と述べ、「核の脅威」に対しては、「対処できるし、ロシアはウクライナ侵攻時に核の脅しをしたが、いまだ使用していないし、使用しないと思う」と答えた。
今回の決選投票は、1月28日に行われた大統領選の投票で過半数を獲得した候補者がいなかったため、上位2人の争いとなった。