【パリ安倍雅信】フランスのダルマナン内相は5日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルに大規模な攻撃を行った先月7日以降、仏国内で確認された反ユダヤ主義的行為が1000件以上になると明らかにした。外国人102人を含む486人が同種の犯罪で逮捕されたとも述べた。仏公共放送フランス2のインタビューで語った。
フランス第2の都市、仏南東部リヨンの検察当局は今月4日、若いユダヤ人女性が、自宅の玄関を開けた直後に顔を覆った黒ずくめの男から刺されたことを明らかにした。命に別状はないものの、捜査当局は「反ユダヤ主義的な動機の可能性が高い」と指摘し、捜査を開始している。女性のアパートの扉にはナチス・ドイツのシンボルマーク「かぎ十字」の落書きがあった。
フランスではここ1カ月、ユダヤ人の住宅や施設の外壁にかぎ十字やユダヤ教のダビデの星を落書きする事件が急増している。ダビデの星は、第2次世界大戦のナチスによるユダヤ狩りの時にユダヤ人の住宅の外壁や窓などに書かれた。国家反テロ検察局(PNAT)のリカール長官は「フランス領土では反ユダヤ主義行為の増加により明らかに緊張が高まっている」と述べた。