【パリ安倍雅信】フランスのダルマナン内相は11日、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃が始まった7日以降、仏国内で約50件の反ユダヤ的行動を確認し、20人以上が逮捕されたことを明らかにした。ダルマナン氏は、在仏ユダヤ人コミュニティーへの支持を表明し、現在、ユダヤ人学校とシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)約500カ所で1万人の警察官と憲兵が警備に当たっていると述べた。
ダルマナン氏は「ユダヤ教を信仰するすべてのフランス人が、自分たちは守られているということを知ることが重要だ」と述べた。フランスには欧州最大規模の約60万人のユダヤ人コミュニティーがある。内務省は、ハマスの攻撃後の48時間だけで1000件以上の反ユダヤ的行動の通報があったとしている。
一方、極左の反資本主義新党(NPA)はハマスへの支持を表明した。フランス政府はハマスをテロ組織に指定しており、ダルマナン氏はNPAの司法捜査を開始したことを明らかにした。
フランスにはアラブ人イスラム教徒の移民が500万人いるといわれ、政府は対立のエスカレートを警戒している。