【パリ安倍雅信】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は22日、訪問先のフランス南部マルセイユで、アフリカから押し寄せる大量の移民への対応に追われる欧州に対して、今や文明の選択を迫られていると信じ、移民を受け入れるのは「文明の義務」と訴えた。
教皇は、マルセイユのノートルダム・ド・ラ・ガルド大聖堂にある海で遭難した船員と移民に捧(ささ)げられた記念碑の前で、移民や宗教指導者らと面会した。教皇はマルセイユ訪問の初日、地中海を見渡す記念碑を前に移民救済を力強く訴えた。教皇は「私たちは岐路に立っている。一方には友愛、もう一方には無関心があり、それが地中海を血で染めている」と語った。
さらに、宗教指導者らがマルセイユに集まる中、教皇は、欧州に到達しようとする人々に対する「忌まわしい人身売買」と「無関心」を厳しく非難した。
ダルマナン仏内相は4日前、地中海を渡って流れ着いたアフリカからの移民を受け入れない方針を明らかにしたばかり。