【パリ安倍雅信】欧州で最も定年後の期間が長いフランスがなぜ、欧州トップクラスの豊かさを維持しているのか。英経済週刊誌エコノミストはその謎の分析を試みている。
フランスの国内総生産(GDP)はインドに抜かれ世界6位だが、長年、米国、日本、ドイツに次ぐ4番目か英国に次ぐ5番目を維持してきた。同誌は「悪名高い労働者寄りの雇用法、高い税率にもかかわらず、戦後のフランスは常に英国と同等か、それ以上に裕福で生産性も高い」と指摘した。
フランスは時価総額で世界のトップ100に入る企業の数が他の欧州諸国よりも多い。2022年、フランスの高級ブランド企業は、米国のハイテク企業よりも収益性が高かった。17~22年にかけて、フランスは世界の武器輸出に占めるシェアを4ポイント増の11%とした。
昨年、フランスは欧州の近隣諸国の平均よりも多くの特許を出願しており、その数は英国のほぼ2倍。マクロン仏大統領の25年までに25社のユニコーン企業(評価額10億ドル以上の新興企業)を創出するという公約は3年前倒しで達成された。
子育て支援は欧州で最も手厚く、保育料は英国とは比較にならないほど低い。それに貧困率も他の欧州主要国より低い。
同誌は「マクロン政権は2期目に入り、ルメール財務相の任期も歴代最長で、政治が安定していることも大きい」と指摘している。ただ、仏時事週刊誌レクスプレスは「(すべてが)成功しているわけではなく、公立学校のレベル格差、大都市と地方都市の医療サービスの不公平、低い平均実質賃金の上昇率」など問題もあると指摘している。







