【パリ安倍雅信】フランスのマクロン大統領は14日の革命記念日に、主賓としてインドのモディ首相を迎え、パリのシャンゼリゼ通りのフランス軍とインド軍の軍事パレードを観覧した。マクロン氏は新興・途上国「グローバルサウス」の牽引(けんいん)役で、人口世界1位となる民主主義大国インドの首相を招待することで、両国の関係強化に対して強い意思を示した。
マクロン氏はモディ氏に国の最高の栄誉であるレジオン・ドヌール勲章を授与した。オーストラリア、米国など先月から世界各国を歴訪したモディ氏は、今回の歴訪で14個目となる国の最高勲章を受章した。大統領府は声明で「フランスとインドを結び付ける優れた友情と信頼関係における首相の役割に敬意を表して授与された」と説明した。
今回のモディ氏の顕彰は、シラク元仏大統領がインドを訪問し「戦略的パートナーシップ」を結んで25周年を迎えた両国の絆の深化を反映したもの。インド国防省は13日、フランス製ラファール戦闘機26機とスコルペヌ型潜水艦3隻の追加調達の意向を発表した。インドはすでにラファール36機を購入しており、その数はロシア製に次いで多い。
マクロン氏は13日夜の首脳会談で、インドは「われわれの将来にとって決定的な役割を果たす世界史の巨人」と表現した。ただ、軍事パレードでは、モディ氏のヒンズー教徒優遇、イスラム教徒弾圧、政権批判のジャーナリスト逮捕などの強権政治を批判する声も聞かれた。
フランスは欧州連合(EU)加盟国ではインド太平洋地域に最大の権益を持ち、ウクライナ侵攻以降はインド重視の外交を展開している。ただ、革命記念日は共和制による自由と民主主義国家を出発させた日で、その日にマクロン氏が国内に人権問題を抱えるモディ氏に最高勲章を授与したことについて、「民主主義より武器売却を優先」と皮肉るメディアもあった。





