トップ国際欧州EU大統領が訪中へ 仏大統領も来年早々 3期目習氏、巻き返しか

EU大統領が訪中へ 仏大統領も来年早々 3期目習氏、巻き返しか

欧州連合(EU)のミシェル大統領=9日、ブリュッセル(AFP時事)

【パリ安倍雅信】欧州連合(EU)のミシェル大統領は12月1日、中国を訪問し、習近平国家主席と会談する予定だ。今回は中国の招待で実現することになったもので、EUとの関係修復に向け巻き返しを図る狙いが中国側にあるとみられる。10月に3期目に入った習氏に会うための訪中は、EU首脳としては4日のドイツのショルツ首相に次いで2人目となる。

ドイツはメルケル前長期政権時代に中国との関係を深め、EU加盟国で最も経済関係を持つ。中国側はEUとの関係強化を模索中の一方、EUは中国への警戒感をこの数年高めている。ロシアのウクライナ侵攻でロシアへの制裁を科しているEUとしては、対話による紛争解決には中国の存在は大きいと見ている。ただ、ショルツ首相の訪中にはドイツ国内からの反発もあった。

ショルツ氏訪中で、中国航空器材集団公司とエアバスが「A320型シリーズを132機、8機のA350型機を含む140機のエアバス航空機の一括調達契約を締結し、総額約170億㌦相当の航空機を発注した」と報じられた。さらにショルツ氏に同行した独企業代表団は大型の商談を次々と進め、減速中のドイツ経済には朗報だった。

ミシェル氏は今回、ロシアのウクライナ侵攻の解決のための足掛かりを探るとみられ、さらに台湾情勢を中心に幅広い議題も取り上げる見通しだ。

また、中国の人権問題やロシアとの関係を巡り対立が鮮明になっているEUとしては、対話を通じた関係改善に向けた足掛かりを探る構えだ。中国側はEUへの投資を阻んでいる規制や政治的動きに注文を付ける可能性がある。

一方、フランスのマクロン大統領も、ウクライナに対するロシア侵攻を仲介すべく中国の助けを求めるために来年早々、北京訪問を計画していると報じられている。マクロン氏は、インドネシアのバリ島で開催されたG20の会場で習氏と会談し、「中国が今後数カ月でわれわれに協力して、より重要な調停の役割を果たすことができると確信している」と述べている。

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