【パリ安倍雅信】フランスで大規模な児童ポルノ取り締まりが15日と16日の2日間にわたって行われ、ポルノ画像や動画をダウンロードして閲覧した疑いのある48人が逮捕された。逮捕者の中には、地方自治体の首長、国民教育に関与する役人、児童福祉関係団体や里親制度関連施設で働く公務員、警察官の親族なども含まれていることが関係者の証言で明らかになった。
一斉検挙は対暴力取締中央局(OCRVP)によってフランス全土で行われ、逮捕者は暴力的な児童ポルノ・コンテンツを大量に閲覧した疑いのある者たちだとしている。年齢は26~79歳と幅広いが、40代男性が中心で、ブルゴーニュ地方の村長も含まれていた。
当局によれば、今回の検挙は児童ポルノの慢性的閲覧依存者の摘発だけでなく、小児性愛者として実際に子供の誘拐や性的暴行を行った犯罪者をあぶり出す狙いもあったという。
フランスでは新型コロナウイルス感染拡大による外出制限措置で、家庭内暴力、特に子供への性暴力が増え、社会問題化している。内務省の発表では、20年3月は1083件だった子供の性暴力被害件数は、2022年3月には2712件へと倍増。同時に児童ポルノの拡散も深刻化している。