【パリ安倍雅信】フランスのマクロン大統領は21日の欧州理事会の記者会見で、欧州連合(EU)および自国の気候変動対策と相いれないとして、エネルギー憲章条約(ECT)から脱退することを明らかにした。そのためEUの他の加盟国に波紋が広がっている。オランダも先週、期日は示さずに環境・エネルギー省が脱退を示唆したことで、ドミノ式の離脱も予想される。
フランスの気候高等評議会は、「気候に関する国内的、欧州的、および国際的なコミットメント」を尊重するため「フランスと欧州連合(EU)によるECTの協調的な撤退」を推奨する意見書を出していた。ECTは、ソ連崩壊後の1998年に発効された条約でEU加盟国、日本を含む50カ国以上が署名している。同憲章では投資家は投資を危険にさらす政策について政府を訴えることができるとしており、目標は、旧東欧を含む旧ソ連圏の新しい国家の市場開放と投資を奨励することにより、エネルギー安全保障を促進することだった。