トップ国際欧州EU第3の経済大国イタリア  初の右派連合政権に加盟国注目

EU第3の経済大国イタリア  初の右派連合政権に加盟国注目

26日、ローマで、イタリア総選挙を受け謝意を示す「イタリアの同胞(FDI)」のメロー二党首(AFP時事)

【パリ安倍雅信】25日のイタリア総選挙で勝利した極右政党・イタリアの同胞(FDI)のジョルジア・メローニ党首は勝利宣言後、「全てのイタリア人のための統治を約束する」と述べ、今後の関心は極右・同盟と中道右派フォルツァ・イタリア(FI)との右派連合の組閣が注目される。同時に英国が欧州連合(EU)を離脱後、ドイツ、フランスに次ぐEU第3位の経済大国となったイタリアについて、加盟国はその動向に強い関心を寄せている。

メローニ氏が首相に就任すれば、イタリア初の女性首相となるだけでなく、国家ファシスト党による一党独裁制を確立したムソリーニの流れを汲(く)む戦後最も右翼的な政府となる。組閣は白紙状態だが、右派連合では、過去に副首相、内相を務め、移民排斥で知られる同盟のサルビーニ氏が内相を希望していると言われるが、現地の報道では今回の選挙での獲得議席数が急落し、可能性は低いとされている。

26日、イタリア北部ミラノの選挙本部であいさつする極右「同盟」のサルビー二書記長(党首)(AFP時事)

ドラギ現政権が始めた経済改革についてフランスのルメール財務相は、大幅に変更する可能性は低いとして通貨ユーロの安定性に楽観的だ。一方でEU全体がウクライナ戦争の影響もあり、インフレ、エネルギー危機にある中、EUで2番目に借金の多いイタリアでEU懐疑派の新政府がEUに対抗的な経済政策を打ち出す懸念も消えていない。

イタリアは、新政権が発足する予定の10月下旬前に欧州委員会に予算案を提出する必要がある。現地報道では今回の総選挙後、メローニ氏はドラギ現首相と連絡を取り合っていると伝えられる。一方、ロシア寄りとみられる極右の流れを汲むメローニ氏は最近、ロシアに侵攻されたウクライナを支援するドラギ政権の政策を受け継ぐとも述べている。

オランダのルッテ首相は、イタリアの選挙結果を受け、経済政策やロシアとの関係に言及し、イタリアは懸念材料であると述べた。メローニ氏の組閣は国内だけでなく、他のEU加盟国からも注目を集めている。

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