
【パリ時事】フランスで10日、大統領選の第1回投票が行われる。当初はマクロン大統領(44)の圧勝とみられていたが、終盤で極右政党「国民連合(RN)」のルペン候補(53)が肉薄。支持率で数ポイント差に迫っている。急進左派「不屈のフランス」の創設者メランション氏(70)も最後の追い上げを見せており、マクロン氏は思わぬ苦戦を強いられそうだ。
第1回投票では、いずれの候補も過半数を獲得できないとみられる。決着は上位2候補による24日の決選投票に持ち越される見通し。
BFMテレビが8日に報じたエラブ社の世論調査結果によれば、第1回投票でのマクロン氏とルペン氏の支持率はそれぞれ26%と25%で、1ポイント差に迫った。メランション氏は17・5%で3位。マクロン氏とルペン氏の決選投票となった場合の投票先を問われた調査では、マクロン氏が51%、ルペン氏が49%だった。

ただ、24%が「投票までに考えを変える可能性がある」と回答。22%が「投票に行かない」とも答えており、世論調査通りの結果になるかは不透明だ。
マクロン氏は8日付のパリジャン紙で「ルペン氏は年金を増やすと公約しているが、財源がないからうそつきだ」と非難。定年退職年齢の引き上げなど、有権者の痛みを伴う公約で離れた支持者を奪い返そうと躍起だ。
一方、左派はメランション氏の他にも社会党候補のイダルゴ・パリ市長や環境政党のジャド欧州議員ら、候補が乱立。最後まで候補者の一本化はできなかった。