上級副委員長と委員の2層体制 EU 欧州委新閣僚候補を発表

17日、仏東部ストラスブールで記者会見する欧州連合 (EU)のフォンデアライエン欧州委員長(EPA時事)

【パリ安倍雅信】欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は17日、第2次閣僚候補を明らかにした。新体制では6人の上級副委員長と委員の2層構造となる。

委員長との疎通で問題が指摘されていた域内市場委員のティエリー・ブルトン氏は退任する。

主要ポストには、繁栄と産業戦略担当・上級副委員長にステファン・セジュルネ氏(フランス)、公正かつ競争力のある移行担当・上級副委員長にテレサ・リベラ氏(スペイン)、技術主権・安全保障・民主主義担当・上級副委員長にヘンナ・ビルックネン氏(フィンランド)、結束と改革担当・上級副委員長にラファエレ・フィット氏(イタリア)、域外政策の重責を担う外交安全保障上級代表(外相)にカヤ・カラス氏(エストニア)が指名された。

新体制には、経済、安全保障、環境、移民など、さまざまな課題が山積している。議会では6月の選挙の結果、右派やポピュリスト政党が議席を伸ばし、発言権を強めている。フランスは下院選後の混乱で弱体化しており、ドイツは右派政党が選挙で多数派を占める状況にある。

対外関係では、米大統領選、終結が見えないロシアのウクライナ侵攻への対応を引き続き注視していかねばならない。一方、中国がセルビアとの経済関係を強化することで欧州との関係の切り崩しを図っており、中国製電気自動車(EV)の販売攻勢で、ドイツのフォルクスワーゲン社は、戦後初めて一部の工場が操業停止に追い込まれた。対中政策でも、新体制の手腕が問われる。

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