仏震撼させたレイプ裁判 全土で被害者女性支援デモ

【パリ安倍雅信】仏南部アヴィニョンで行われているレイプ裁判は連日、国内で報じられている。夫が約50人の男らに10年間にわたり強姦(ごうかん)させた事件は仏全土に衝撃を与えた。強姦の被害者であるジゼル・ペリコさん(71)を支援するためフランス全土を行進したデモ参加者に対して彼女は15日、感謝を表明した。彼女の元夫ドミニク・ペリコ被告と、10年以上にわたり彼女を強姦した罪で起訴された他の50人の裁判は、大きな注目を集めている。

事件は2011年7月から20年10月までの10年間にわたり、夫が妻のジゼルさんに抗不安薬を投与し、インターネットで募集した数十人の男たちに強姦させたもので、夫は事実を認め、夫と加害者の男約50人が起訴された。

ぺリコさんは「皆さんのおかげで、私はこの戦いを最後まで導く力を得ることができました。この戦いは、性暴力の被害者である世界中の女性と男性に捧(ささ)げます」と述べた。さらに「周りを見てください、あなたは一人ではない」と訴えた。ペリコさんの「勇気」に感銘を受け、14日、フランス全土で約1万人が「恥は立場を変える」と性暴力被害者への支援でデモ行進を行った。

パリのレピュブリック広場に集まった3500人のデモ参加者は、「私たちは皆、ジゼルだ」「強姦者はあなたを見ている、被害者はあなたを信じている」「あなたは一人ではない」と叫んだ。71歳のペリコさんは、裁判の公開に同意することで、レイプや性的暴行の被害者への強力な支援の波を起こそうとしている。

この10年間、仏内務省によると性犯罪は確実に増加傾向にあり、深刻な社会問題となっているが、今回のケースは極めて悪質として波紋を呼んでいる。

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