フィンランドの首都ヘルシンキの北約540㌔の都市オウルで、「エアギター世界選手権」が8月22、23の2日間にわたって開催された。日本を含む各国から参加したエアギタリストたちが技を競った。
今大会の勝者は、カナダのザカリー・ノウルズさん。大会史上最多の3回の優勝歴を誇る日本のタレント、名倉七海さんは惜しくも2位だった。「エアギターによって、日頃出せない自分自身のすべてが表現できる」とその魅力を語る。
選手権が始まったのは1996年、「エアギターを弾いて世界平和を」が大会スローガンだ。世界中の人がエアギターを弾いて、戦争、気候変動、悪いことすべてをなくそうという壮大なもの。
ドイツからここ10年、毎回参加しているという夫婦は、もともとエアギターに関心はなかったが、「オウルで初めて見て、まるで本物のギターを弾いているように見え衝撃を受けた」と話す。それ以来毎回、見に来ている。
大会では1分間のパフォーマンスで、オリジナリティー、リズム感、カリスマ性、テクニック、芸術性、「エアネス」について評価が下される。エアネスとは、演奏から受ける熱意、熱い空気感を指すのだという。
予選を含め10カ国から40人が参加し、熱のこもった演奏を披露したが、参加者たちは、選手権の魅力は「大会を通じて家族のような一体感を感じる」点だと口をそろえる。大会の熱気を受け、「エアギターを弾いて世界平和を」というスローガンにも納得がいった。
(オウル吉住哲男)