「最初で最大の試練は大雨」エスタンゲ組織委会長 パリ五輪閉幕

パリ五輪の閉会式=8月11日(UPI)

【パリ安倍雅信】8月11日に閉幕したパリ五輪について、閉幕当日付の仏メディア、ラ・トリビューン・ディマンシュ紙に掲載された大会組織委員会のトニー・エスタンゲ会長のインタビュー記事では、大会の評価を予想以上と喜んだ。一方、「開会式や初日の夜に説明できないことが起こり、想像を超えていた」と語り、大雨が大会の大きな試練だったことを認めた。

史上3度目のパリ五輪は、前代未聞のセーヌ川の野外で行われた。スタジアム1カ所で行われる開会式とは異なり、過去に経験したことのないリスクが存在した。それが野外ショーを襲った壊滅的な天候だった。さらに当日、国内の高速鉄道TGV路線の配電施設が放火され、選手、大会関係者、世界中から訪れた観戦者などの足を奪った。フランスは夏の長期バカンスの7月組がパリに戻り、8月組が出発する時期と開会式は重なった。

「悪いニュースに次ぐ悪いニュース。午後6時までは1時間小雨が降ると予報されていた。その後、そんなことはないだろうと理解した。ところが事態はさらに悪化した」と回想するエスタンゲ氏は「私たちはチームのエネルギーを維持しなければならなかった」と語り、「雨が降ることは予想していたが、これほどの強さは想定していなかった。クレイジーだった」と述べた。

当然、大会組織委員会は雨も想定していたが、予想を超え、「主催者がパニックに陥っていないように見せることに必死だったが、観戦者、ゲスト、アスリートたちの和気あいあいとした雰囲気に助けられた」とエスタンゲ氏は述べた。インタビューで「開会式2時間後、最後に私が殴られるかと思ったとき、彼らは私に感謝してくれた」と述べた。

パリ五輪開会式は多くの議論を呼ぶ演出の問題はあったが、大会そのものの運営に致命的問題はなく、世界中から集まったアスリートとボランティアの情熱に支えられ、雨もはねのけて成功裏に終わったと言えそうだ。

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