【パリ安倍雅信】就任１カ月のスターマー英首相が、極右勢力による暴動に直面し、対応に苦慮している。これに関連して、Ⅹ（旧ツイッター）のオーナー、イーロン・マスク氏が暴動をあおっているとして、労働党政権はマスク氏に説明を求める構えだ。
７月２９日、リバプール郊外の子供向けダンス教室で、６～９歳までの少女らが刃物で刺され３人が死亡、重傷含め１０人が負傷する事件が発生した。逮捕されたのは、アフリカ・ルワンダ出身の両親のもと英南部カーディフで生まれた１７歳の男性。
事件から数時間のうちにＳＮＳ上で、容疑者は亡命希望者でイスラム教徒という情報が拡散された。警察当局によれば、３０日に行われた追悼集会が、解散中の極右組織「イングランド防衛同盟」と関係する集団によって乗っ取られたことをきっかけに、暴動となった。
暴動は英全土に広がり、英国に不法入国し難民申請している人々の宿泊費が税金で賄われているという情報もＳＮＳで拡散。数カ所のモスクに火炎瓶が投げ込まれた。ロンドンを皮切りにブラックプール、ハル、リーズ、マンチェスター、ノッティンガム、ボルトン、リバプール、サンダーランドなどではデモが暴徒化した。
滞在中のホステルで襲撃を受けた難民申請者の１人は、「命からがらアフリカから逃げてきたと思ったら、ここで死ぬのかと思った」と悲鳴を上げた。
これらの事態にマスク氏がⅩに「英国で内戦は避けられない」「英国警察の対応は一方的だ」と投稿。扇動的、根拠がないなどと批判された。またイングランド防衛同盟の共同創設者で、極右活動家として有名なトミー・ロビンソン氏のＸのアカウントを復活させたことでも非難を浴びている。英議員らは、マスク氏を召喚し説明を求めるとしている。
